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2024年読書ベスト5!

2024年に読んだ本を書いていきたいと思う。これはメモに取っていないので、思い出せるであろうか。と思ったら、アマゾンの購入履歴が便利で、そこから芋ずる式に思い出すことができた。


2024年三好真弘読書一覧

完読17冊

『クレー新潮美術文庫 50』大岡信

『NHK「100分de名著」ブックス 般若心経』佐々木 閑 (著)

『別冊100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した』佐々木 閑

『NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば』佐々木 閑

『ごんぎつね Gon, the Fox (ラダーシリーズ Level 1)』新美南吉

『オズの魔法使いラダーシリーズ』

『ずっとやりたかったことをやりなさい』ジュリアキャメロン

『哲学史入門I』NHK出版新書

『ラケス』プラトン

『哲学史入門Ⅱ』NHK出版新書

『哲学史入門Ⅲ』NHK出版新書

『これが現象学だ』谷徹 

『小林秀雄の「人生」論』浜崎 洋介

『ぼんやりとした不安の近代日本』浜崎 洋介

『トカトントン』太宰治

『俘虜記』大岡昇平

『フッサール起源への哲学』斎藤慶典


途中3冊

『精神現象学』ヘーゲル

『フランス語をひとつひとつわかりやすく。』

『レヴィナス無期限からの思考』斎藤慶典


『クレー新潮美術文庫 50』大岡信

『クレー新潮美術文庫 50』大岡信。この本は、新年に、歌詞を書いていて、そこで「クレー」が出てきたのである。それで、クレーについて調べてみようと思ったのである。大岡信は詩人でもある。彼の批評の言葉の的確さには、とても驚く。読んでいて、こちらの頭脳も明晰になるのを感じる。新年に読むにふさわしい本であった。こういう美術評論の本をまた読んでみたいものである。大岡信の本は、ほとんど読んでいるが、また読み返したい。


佐々木閑『般若心経』『大乗仏教』『真理のことば』

つづいて仏教学者の佐々木閑の著作が続く。『般若心経』『大乗仏教』『真理のことば』である。NHKの100分で名著という番組を本にしたもので、読みやすい。仏教の歴史について、学ぶことができた。現在の日本の仏教というものは、長い歴史からして、特異な位置にある、ということがわかることは、いいことだ。


英語ラダーシリーズ

それから英語で本を読んでみたい、という関心が起きた。『ごんぎつね』『オズの魔法使い』を英語で読んでみた。長くは続かないが、英語の本を読んでみた、という経験にはなった。英語の文章を読むと、気分が変わる。日本語よりも、はっきりとした、文法の規則にふれると、すっきりとするのである。腕立て伏せをしたような感じに似ている。日本語ばかりをつかっていると、同じ筋肉ばかりつかって楽をして、「姿勢」が悪くなってしまうのである。この文章も、だいぶ癖が出ていることであろう。


『ずっとやりたかったことをやりなさい』ジュリアキャメロン

『ずっとやりたかったことをやりなさい』ジュリアキャメロン。これは、おもしろい本であった。1週間に3つ課題というものがあって、それをやるのが楽しみであった。ノートを取り出して、実際に自分で書いてみる。すると、自分のこと、がわかるのである。例えば、「5回生まれ変わることができて、何にでもなれるなら、何をしたいですか?」とか、「20年後、お金も時間もあるとしたら、なにをしたいですか?」という質問に答えていく。これは、ベスト本のひとつだ。


NHK出版新書『哲学史入門シリーズ』

それから、NHK出版新書から新刊で出た、『哲学史入門シリーズ』を3冊読んだ。これが読みやすくて、また懐かしく、読んでいった。ここから、哲学への熱が高まっていって、現在まで続いている。


『ラケス』プラトン

『ラケス』プラトン。哲学の原書を読もう、ということで、プラトンを手に取った。古典のもつ、においというものを感じることができた。2000年以上も前の、ギリシャという地で、このような本が生まれたということを、京都のスタバで読んでいることを、不思議になりながら読むことができた。


『これが現象学だ』谷徹

『これが現象学だ』谷徹。京都にある日独文化研究所が行っている哲学講座に参加した。そこで谷先生が講義をしていた。そこから彼の著作を読んでいった。そこから、「現象学」というものに興味が出てきた。真夏のカフェで長い事読んだ後、外に出ると、景色が変わって見えた。現象学を学ぶと、目に見える在り方が、変わる。


『小林秀雄の「人生」論』浜崎 洋介

『小林秀雄の「人生」論』浜崎 洋介。熱中して、一気呵成に読んだ。こういう本に出合えることは、幸せである。心の中で、おもしろい、おもしろい、とつぶやきながら、読んでいった。


『ぼんやりとした不安の近代日本』浜崎 洋介

『ぼんやりとした不安の近代日本』浜崎 洋介。明治以降の日本について、文学を通して学ぶことができた。また、表題にある日本の「ぼんやりとした不安」は、先の戦争によって分断されておらず、現代へと接続していることを、実感することができた。では、この「不安」をどう克服ことができるか。これを自身の課題として、引き受けたいと思った。


『トカトントン』太宰治

『トカトントン』太宰治。短編である。小説を読んだのは、何年ぶりのことであろうか。これを読むことは、とても気分を変える事であった。また、文学者の「文体」というものの特殊性というか、個性というものには、惹かれるものがあった。


『俘虜記』大岡昇平

『俘虜記』大岡昇平。読むべきと知っておきながら、なかなか読まなかったものであるが、読んでよかったと思う。


『フッサール起源への哲学』斎藤慶典

『フッサール起源への哲学』斎藤慶典。「現象学」を学ぼうと手をのばした。絶版であったが、メルカリで手に入れた。とてつもなくおもしろかった。自身の哲学熱に、また火がついた。なかでも、目の前のものを認識するにあたって、想像力をつかっている、ということに対して、とても驚いた。目の前の1個のコップが、材質がガラスであったり、コーヒーが入っていたりで、それを感覚で直接知ることができるが、そのコップが「1個」であるという「同一性」については、認識する側が、「想像力」によって「創造」しているのでないちけない。というのも、「過去には存在しない」し、「未来にはまだ存在しない」。この2つの存在しない時間へと、接続されないことには、「現在ここにあるコップ」が、「同一性」すなわち、過去から未来へと同じコップであることは、認識されないからである。ここで、私の驚きは爆発した。今年一番の爆発であった。哲学を学んでいると、こういう爆発が、何度かあるものである。それに魅了されて、哲学は学ばざるをえない。これからも、学んでいくことだろう。


『精神現象学』ヘーゲル

『精神現象学』ヘーゲル。上記の「爆発」が常に起こるような、哲学史上の最重要古典のひとつである。毎朝、ちょっとずつ読んで、もう少しで読み終わる。今年の12月に入ってから、ドイツ語の原著について、重要か所については、ノートに書きだして読むことにした。日本語訳だけでは理解できないが、ドイツ語を参照すると、「それでも理解できない」ということが、理解できるのである。さて、前に読んだ浜崎洋介の『ぼんやりとした不安の近代日本』で主張されていた、近代化による、急進的な個人主義化と、伝統的な共同体の崩壊が、不安をもたらして、一時的な共同体への連帯をもとめて、全体主義へと向かった、というもの。これの起源は、ヨーロッパの近代化にあって、それを最初に問題としていたのが、ヘーゲルであろう。彼の哲学を理解しないと、次へと進めない、という気がしている。「次」というのは、私自身の問題であり、日本の問題でもあり、世界の問題でもある。ヘーゲル哲学は、近代ヨーロッパ哲学の、頂上であると言われる。彼の哲学を理解しないと、「近代」を理解できないし、その「次」に行くことも、できないのではないか、と思っている。


『フランス語をひとつひとつわかりやすく。』

『フランス語をひとつひとつわかりやすく。』という、フランス語の書き込み式学習書を読んでいる。読んでいるというか、ノートに書きながら、勉強している。初等文法を少しずつだが、身に着けている。フランス語は、発音が難しい。ここを乗り越えるのに、まず1年くらいかかってしまった。それから、やっと、本書で、文法事項に入ることができるようになった。なぜフランス語をするのかというと、哲学書の原書を読んでいきたいからである。読むことができなくても、参照はできるようにしたい。


『レヴィナス無期限からの思考』斎藤慶典

『レヴィナス無期限からの思考』斎藤慶典。レヴィナスの入門書。入門書であるが、この本のおもしろいのは、著者自身の思考のみで埋め尽くされていということだ。そこに、レヴィナスの解説は、ほとんど皆無なのである。本物の哲学の、思索の営みの、息づかいがする。「レヴィナス」と名のついた本書の中に、ほとんどレヴィナスの引用が出てこない。だから、本書は「斎藤哲学」と言ってもよいのだと思う。そうして、私は、レヴィナスとちがう、別の哲学について、学んだとしても、それでちっとも構わないのである。


2024年読書ベスト5!

ここであえて、ベスト5を選ぼうと思う。


5『精神現象学』ヘーゲル

4『クレー新潮美術文庫 50』大岡信

3『小林秀雄の「人生」論』浜崎 洋介

2『フッサール起源への哲学』斎藤慶典

1『ずっとやりたかったことをやりなさい』ジュリアキャメロン


5位『精神現象学』



5位に『精神現象学』を選んだ。これは、来年に向けて、古典を読み続けるという姿勢を変わらず続ける「必要」があると思うからだ。本書を私は毎朝読んでいたのであるが、これを「習慣」とした場合、途中でやめてしまっていたであろう。実際、今年の半ばは、読むのを忘れていたのである。本当に読むのが必要であると、この文章を書いていて気づいたのである。深く、哲学に、入っていくことが、「必要」である。ドイツ語と照らし合わせて読んでいきたい。次は『純粋理性批判』か。


4位『クレー』大岡信



4位『クレー』大岡信。小さい本であるが、印象深い。彼の批評文を、来年も読んでいきたい、という願いから、これを選んだ。実際、これを書いている途中に、本屋に寄る機会があったのだけれど、そこで岩波文庫から出ている彼の新刊で『折々の歌365日』というものを見つけて、購入してしまった。この本によって、毎日彼の批評文に触れることができる。また、日本の古典文学や文章芸術に、降れることができるし、触れたいという気持ちがあるのである。他にも、西洋絵画への興味も、少なからずある。


3位『小林秀雄の「人生」論』浜崎洋介



3位『小林秀雄の「人生」論』浜崎洋介。一気呵成に読むことができる本。こういうものに、触れていたいものである。それは、文芸批評家、というものに、触れることでもある。学者が新書を書くのと、文学者が新書を書くのとでは、質が違っていて、私は後者の方が好きなのである。内容はどうでもよく、その文体に興味がある。そして、文芸批評を読むということは、近代日本を読むということに、他ならないと思っている。小林秀雄、福田恆存、柄谷行人、江藤淳、吉本隆明など、日本の批評家の文章に、触れてみたいという気持ちになっている。


2位『フッサール起源への哲学』斎藤慶典



2位『フッサール起源への哲学』斎藤慶典。今年読んだ「現代日本」の哲学書の代表として、これを選んだ。現代日本にも、哲学を実践する人たちがいて、その思考に触れていたい、という願いを私は持っている。西洋哲学の入門書や解説書という名前を借りて、独自の哲学へと発展させたものが、実は現代の日本の中にもあるのである。それはほとんど知られておらず、自分から掘っていかないと発見できない。それは、あらゆる日本の文化というものに、本当に触れてみようとするときに、起こる常態であるかもしれない。それはともかく、深く哲学に触れていきたいと、来年からも願っている。


1位『ずっとやりたかったことをやりなさい』ジュリアキャメロン



1位『ずっとやりたかったことをやりなさい』ジュリアキャメロン。この本を週末に呼んで、課題を実践するのが、今年の楽しみの一つであった。川辺で石をひろったり、水着を買ってプールに入ったり、友達と映画を撮ったり、観葉植物を育てたり、部屋の天井から星の飾りを吊り下げたり、壁に写真を大量に飾ってみたりした。これらすべては、私がやりたいことなのであったが、それを実行してみるのに、後押しをしてくれたのが本書なのである。応援してくれたというのではないが、本書が与える質問に、実際に自分で書いて答えていくと、自分のやりたかったことが、「発見」されるのであった。自分のことを、自分でわかってはおらず、それは、いろんな方面や角度から質問されて、それに答える文章にすることで、発見される。また、本書の課題を実践することで、「こつ」がつかめてくる。そのコツとは、「ホリスティック」ということで、日本語でいうと「全体」ということだ。私の「全体」の「バランス」を整えることで、「癒さ」れるということだ。この「コツ」は、この文章を書くときにも適用されている。


映画で「世界が変わっていくのを見る」

こうして1年読んだ本をまとめてみると、気づくことがたくさんある。今年出た新刊は一冊も読んでいない、ということに気づく。これは映画をまとめたのと真逆だ。というか、映画が新作しか観ていない。映画とは「そういう」ものなのだ。私は映画を、「時代の空気」を感じるためのツールとして利用しているのである、と思う。


読書は「世界の見方を変える」

本を、もっと違う使い方をしている。自己へと向かい、自己の内奥に深く、入っていくこことを求める。自己の論理を、組み替えていくことを、求めている。「世界の見方が変わる」ということだ。映画を観るのは「世界が変わっていくのを見る」ためであり、本を読むのは「世界の見方を変える」ためである。


来年は「自らの言葉で書く人」の本を読もう

だから、新刊や話題書については、来年からも読む必要はないと思っている。そして、読むべきは、学者の本ではなく、文学者や思索家であり、「自らの言葉で書く人」の文章である。私は、知識を得たいのではなく、人と対話をしたいのである。このことを、指標として、来年も、本を選んでいきたいと思う所存である。

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