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2023年9月20日㈬京都西院ネガポジ

2023年9月20日㈬

京都西院ネガポジ

w/ryo/ポニョ/しの山


1kinki

2Arrival

3四天王寺さんの砂は僕の骨でできている

4墓へと昇る石段で蛇が死んでいる

5鹿がぼくを見ている

6斑猫





二週間後に死ぬとしたらどう過ごす?


ライブが終ったあとで遅くまで残った演者とスタッフでそのような話をしたのであった。モーリーはバンドでツアーをしたいと言っていた。各地で演奏をして歓迎されてメンバーと観光もする。それが楽しい、と。そんな彼が、今回のライブでは、初めてPAをしてくれた。いつものとおりライブの録音をしたが、それを聞いてみて、いいなあ、と思った。声が前面に出ている。言葉を出すところの声が出ている、と表現すればよいだろうか。伝えたいところがある声が芯としてある。これはモーリーのPAの技術でもあるし、私の発声の変化とも関係するだろう。私が歌において、その歌声の響きよりも、むしろ言葉の意味を大切にした。そのような響き(音響)もある。私の意志がモーリーに伝わった。そんな音源になっている。


ライブ会場をマイクで録音している。マイクは前方と後方の二つの方向についている。一つはスピーカーへ直接向けている。もう一方は会場に向けている。私の演奏に加えて、会場の壁にぶつかったときの反射音を入れたいからである。いつもは、その二つをミックスして、ライブ音源として公表している。しかし、今回は、スピーカーに向けたマイクだけを公表した。これは、PAがヘッドフォンで聴いている状態の音に似ているはずだ。だから、モーリーの思想がここにつまっている。三好はこういう音が似合うはずだ、という思想が見える。それを知ってライブ音源を聴いてほしい。私は気に入っている。


セットリストは、今年作った歌を、作った時系列で歌った。これはやってそうでやっていなかった。前回のミングルでのライブのあと、お客さんに「今日はずっと新曲をするのかと思ったら、いつもの歌を歌ったね」と言われた。それで、新曲を全部やるのもありだな、と思ったのである。


いままで聴いた中で一番よかったわ、とブッキングのズルムケ直樹は感想を述べた。いつも冗談ばかりを言うので、これも冗談かと思ったし、初めてブッキングを担当してくれたので、自分のブッキング力の方を誇ったのかもしれない。そのような疑いはおいておいて、素直にこの言葉を受け取ろうと思う。すべて新曲を歌って、それでそれが一番よかったわ、と言われたということ。私は今であり、これからなのである。


「今ミヨッシーは何歳?」

「34です」

「そんなら全盛期やん」


2年前のいつだったか、音楽を辞めていたころに、ネガポジで遅くまでいたとき、ヒデキさんが車で帰ろうとするところを、江添さんに「一緒に帰りや」と言われ、初めてヒデキさんの車で送ってもらった。そのときに言われたのである。それが心に残っている。「全盛期」という言葉が、私の暗い身体の中で、芽が出たように、光ったのである。歌うことを辞めた私が、それでもいまだ「全盛期」であると言われたことが意外だったのであり、恥ずかしくもあり、私の中にいる「可能性」が私の他者として、怒ったのを感じたのであった。


生まれたからには、やらねばならないことがある、と思う。それがなんなのかを知るために、二週間後に死ぬとしたら何をするのかを、考える。そうすると、私はどうやら、最後の日に、ライブをするようなのである。


「とりあえずお母さんに泣きついて甘えるわ」

「いや二週間ずっとですか?長いでしょ」


人生は短かったり、二週間は長かったりする。来週、三好真弘は、SUBMARINEにてワンマンライブを行う。この日で何かが終ったり、何かが始まったりする。


9/30記す。

 
 
 

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